中小企業の経営者のみなさま、日々の業務に追われる中で「予算作成なんて大企業だけがやればいい…」と思っていませんか? 実は、企業の規模を問わず予算管理はビジネスの安定と成長に欠かせない要素です。限られた資源を有効に配分し、キャッシュフローの流れをしっかりと把握できるかどうかは、会社の未来を左右すると言っても過言ではありません。さらに、予算と実績の差をこまめにチェックして改善を重ねていくことで、経営のPDCAサイクルを強力に推進できるのです
(予算案の作り方7つのポイント!3つの注意点まで解説)。
本記事では、そんな「予算案作成」に注目し、7つのポイントと3つの注意点を詳しく解説します。後半には、予算作成が負担に感じている方や人手不足で手が回らない方向けの経営管理支援サービスのご案内もありますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
予算の重要性
「うちはまだ従業員数が少ないし、予算管理までは手が回らない…」という声をよく耳にします。しかし、予算管理は企業規模に関わらず、経営の基盤を支える極めて大切な業務です。予算には**「会社のビジョンを具体的行動に落とし込む役割」があり、しっかり策定しておくことで社内の意識を一つにまとめられます。
中小企業は特に資本が限られがちなので、キャッシュフローが一時的にでもマイナスになると致命的なダメージを受ける場合も少なくありません
(予算管理が中小企業でも重要な理由は?正しい考え方と運用方法について|ビズクロ)。
また、予算と実績を比較して軌道修正を図る予実管理**を行うことで、経営のPDCAを加速させ、無駄なコストや工数を減らせる点も見逃せません
(予算管理が中小企業でも重要な理由は?正しい考え方と運用方法について|ビズクロ)。こうしたサイクルを回せるかどうかが、企業の成長を左右する大きなポイントなのです。
予算案作成の7つのポイント
それでは、実際に予算案を作成する際の7つの重要なポイントを順番に解説していきます。
1. 目標設定
はじめに、予算策定の目的と目標を明確にしましょう。予算はただの数字の並びではなく、「どのようにビジョンを実現していくのか」を示す道しるべです。
- 「売上を○%アップする」
- 「新規顧客を△人獲得する」
- 「利益率を×%まで引き上げる」
といった具合に、定量的な目標を設定することで社員のモチベーションも上がり、目標達成に向けた具体的な行動を起こしやすくなります。
2. コスト見積もり
次に、目標達成に必要なコストを余さずリストアップして見積もる作業に移ります。
- 人件費
- 設備投資
- 材料費
- 広告宣伝費
- 交通費や交際費 …など
可能な限り細かく費用項目を洗い出し、過去のデータや市場相場を参考にしつつリアルな金額を見積もりましょう。複数の見積もりを取り、他社事例を確認するなどして、算出した数字を合算しながら全体予算を固めていきます。
3. 期間の設定
予算を策定する際は、適用期間やプロジェクトのスケジュールを明確に設定することも重要です。
- 1年間の運営に対する予算
- 1プロジェクトの完了までに必要な費用
- 月単位・四半期単位での見直しや管理 …など
各タスクにかかる時間をおおまかに把握し、重要なマイルストーンを設定したうえで、**バッファ(余裕期間)**を考慮しておくと、トラブル発生時にも柔軟に対応できます。
4. リソース計画
予算に紐づいて、必要な人員・設備・時間などのリソースも計画します。
- 誰がどの業務を担当するのか
- どの機材をどのくらい使用するか
- 必要なスキルや研修はあるか
これらの項目ごとにコストを割り出すことで、予算全体の精度が格段に高まります。一方で、無理なリソース配分をすると人員負担が大きくなり、品質低下や人材流出の原因になる可能性もあるため、慎重に検討しましょう。
5. リスク管理
どんなプロジェクトにも想定外のリスクはつきものです。
- 納期の遅れ
- コスト超過
- 天候・災害による影響
- サプライチェーンの乱れ
これらのリスクを事前に列挙し、発生確率と影響度を評価して、対策費用を予算に組み込んでおくことが大切です。大きなリスクが発生したときほど冷静な判断が求められるため、あらかじめシミュレーションをしておくと安心です。
6. レビューと調整
予算案が一通り完成したら、必ず複数回のレビューと調整を行います。
- 各部署からのヒアリング
- 想定コスト・期間が妥当か再チェック
- 経営層やチームリーダーとのすり合わせ
最初の数値が楽観的すぎたり、逆に過度に保守的だったりする場合は、現実的なラインに修正します。
7. 予算の管理と追跡
いざ予算を組んだら、定期的なモニタリングと追跡が欠かせません。
- 毎月・毎四半期ごとの予算と実績比較
- 差異の原因究明と対策立案
- 新たに発生したリスクやコストへの対応
予算と現状にズレが生じた場合は、すぐに修正・対策を実施し、必要であれば予算自体をアップデートしましょう。こうした改善活動を続けることで、経営力を徐々に高めることができます。
予算作成時の3つの注意点
ここでは、実際の予算策定で陥りやすい落とし穴と対策を3つ紹介します。
- リアルな数字を使用する
漠然とした試算や、過剰に楽観的な数字で予算を組むのは危険です。計画全体の信頼性が下がり、最悪の場合は大幅な予算オーバーや計画の破綻を招くおそれがあります。必ず過去の実績や業界水準を確認し、**「達成できる根拠があるのか?」**を丁寧に検証してから数字を確定しましょう。 - 過去のデータを活用する
前年度の予算や過去のプロジェクトのコストデータは、予算の精度を高めるための貴重な参考資料となります。ただし市場環境や組織体制が変化している場合、そのまま当てはめるのではなく、調整を加えたうえでの参考にとどめるのが賢明です。 - 余裕を持った予算設定をする
予算にはある程度のバッファを設け、想定外の出費やリスク対策に使える枠を用意しておくことも重要です。一方で、バッファを大きく取りすぎると財務状況を圧迫し、かえって無駄遣いが増えるリスクもあるため、最適な余白を見極めましょう。
まとめとCTA(行動喚起)
ここまで、予算案の作成手順や注意点を詳しく解説してきました。予算の策定・管理は、限られたリソースの中で経営目標を達成し、さらに企業を成長させるための要となる作業です。しかし、「実際には日々の業務が忙しくて予算管理まで手が回らない」「作り方は分かっていても、運用がなかなかうまくいかない…」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
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・中小企業診断士/MBA
・計100社超の中小企業の事業計画策定を支援
・事業計画策定のオンライン講師として受講者は計3,000人以上
・自身が支援した事業計画立案における補助金採択率は90%以上